育成ドラフトと社会人野球

WBCで仲尾次オスカル投手が投げてるときに「育成で取れば良かったのに」ということを書いてる人が何人かいました。

社会人内定選手(今回はホンダ)を育成ドラフトで指名できるかは、ちょっと微妙なところだと認識しています。


野球 : 中日育成2巡目・小林高也「3年越しの夢」 〜ドラフト指名選手直撃インタビューvol.10〜
http://www.ninomiyasports.com/sc/modules/bulletin02/article.php?storyid=2373

2005年、北海道日本ハムは育成選手としてある一人の大学生を指名するはずだった。ところが、その選手は既に企業に内定していたため、直前になって回避された。育成ドラフトでは社会人内定選手は指名できないことになっていたのだ。スカウトも本人もそんな条件は寝耳に水だったが、時すでに遅し。結局、プロへの夢をかなえることはできなかった


こんな事例もあります。

ただ、


北照・谷内田が育成ドラフトで巨人3巡目
http://hokkaido.nikkansports.com/baseball/amateur/highschool/p-hh-tp0-20071120-285483.html

内定していた社会人野球の三菱自動車岡崎にはこの日、正式に断りを入れた。すでに心は巨人の一員だ。


この話もあり、あくまで暗黙の了解的なもので、指名すれば別にそれはOKなのかもしれません。

社会人野球チームに所属している場合

こちらも指名しようとして断念という事例がありまして


日本野球連盟難色 ソフトバンク“育成枠指名”断念へ
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/10/25/kiji/K20111025001886390.html

星野は昨年のドラフトで4位指名した星野大地投手(18)の兄で、非凡な長打力を持つ好捕手。しかし日本野球連盟から、企業の所属選手の指名は「技術向上、社会教育」という育成制度の理念に反すると難色を示されたもようだ。


という結果になっています。最終的には退社→四国IL→ドラフト指名でプロ入りしています。

それより数日前には


クラブチーム所属選手の育成ドラフト指名OK
http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2011/10/22/kiji/K20111022001867240.html

社会人野球を統括する日本野球連盟日本野球機構(NPB)が、クラブチーム所属選手の育成ドラフト指名は問題なしとすることで合意したことが21日、分かった。
(略)
日本野球連盟は制度導入時にプロ側から受けた説明と制度の趣旨が異なるとしてNPBと協議を続けていた


という記事が出ています。
「制度導入時にプロ側から受けた説明と制度の趣旨が異なる」というのは、上の記事における「企業の所属選手の指名は「技術向上、社会教育」という育成制度の理念」ということでしょうね

まぁ、これまた例外がありまして、また読売さんなんですが


鈴木誠 (1985年生の投手)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%88%B4%E6%9C%A8%E8%AA%A0_(1985%E5%B9%B4%E7%94%9F%E3%81%AE%E6%8A%95%E6%89%8B)

2006年の育成選手ドラフトにおいて、1巡目で巨人から指名され入団。「人生は1回きり。冒険したかった」と、悩んだ末にJR東日本を退社し、年俸240万円の育成枠での入団を決めた


とあります。この投手の記事を探したのですが見当たらなかったのでwikipediaなのですが、この文章を読む限りではJR東日本野球部に所属しているときに指名しているのでしょう。

これは2006年であり、星野捕手の話は2011年なのでその間にJABAの認識も変化したのかもしれません。